乙女ロードで会ったすてきな乙女にごめんなさい

家の目の前の学校が運動会で死ぬので、うちの人にBL系同人誌の世界を勉強させるついでで池袋の乙女ロードに行った。K-BOOKSでひととおり棚チェックして非エロ系パロ本を買ってから、うちの人がたまに視察する中古ドールショップを訪れた。

雑居ビルの小さいフロアに、ゴスロリ系ユーズド衣装のお店と併設されている店舗だ。うちの人は「あたまの中に食べるほうのミソが詰まってる」系の人なので、はしゃいで、

「男の人は入りづらいかも~(オレは徹底したフェミニストだから入りづらくねーよ!)」
「ちょっとにおいがするんだよね、ここのお店…(アキバ臭だよ! 言っちゃダメだろ!)」
「むかしは中古CDのお店が入ってたんだよ(要らない情報だよ!)」

とか口に出してしゃべる。しかたないので店を出てエレベーター待ちをしているとき「そういうことは他人がいるところでは言わないのね」としつけていたら、あとから出てきたゴスロリ趣味のお姉さんがそっと話しかけてきた。

「あの…CD屋さんは、ここ出てすぐ先のビルに移転されましたよ」

ほら! 聞かれてるじゃん!

ふたりで恐縮して謝った。うちの人は「ありがとうございますー」などと言っている。…これはまた誤解を招きそうな「あたまミソ発言」だなと思ったら、案の定、店を出ても先を歩くゴスロリお姉さんがチラチラとこちらを気にしている。そして、

「あの…CD屋さん、そこのビルです…」

ああっ! ほら、失言を聞かれたうえに勘違いされてる!

もう、ほんとにしかたないので、うちの人の頭をつかんでおじぎさせながら、

「すみません! こいつのドール衣装見に行ってたんです。ご配慮いただきありがとうございます!」

と謝った…。

いやもう、ほんとすみません。

ただでさえ、趣味の聖域に「男性同伴の人が入ってきてちょっとやだな…」と感じさせちゃっただろうに。「ああ、間違って入店してきたのか」と推測して気遣ってもらっちゃって。

きれいなうえに、普段着は趣味を反映しつつ控えめにしている気のよさそうな方。ご迷惑をおかけしました。…爪の垢をいただいておけば、あなたの百分の一でもうちの人のあたまミソが食べるほうじゃなくなっていたかもしれないのに、と後悔しています。

またお会いすることはないと思いますが…。